合鍵、マスターキー、純正キー、親カギ??? - 合鍵についてもっと詳しく!

統一されていない表現

合鍵を指す言葉は「合鍵」の他に「スペアキー」「コカギ」など、地域や業種などによって多種多様で統一されていません。
関西方面では合鍵を「マスターキー」と呼ぶ方もおり、

 

関西のお客様「マスターキーがほしいので作ってください」
関東の店主「マスターキーは作れないなぁ。合鍵なら5分でできるよ?」
関西のお客様「合鍵??要するにこの鍵を作りたいんですけど...」

 

なんていう、よくわからない会話が鍵屋さんではよく起こります。
今回はそれぞれの言葉の意味を解説してみます。

合鍵、マスターキー、子カギ、純正キー、親カギ???

合鍵

今ある錠前に合わせて追加した、「別の鍵」のことを言います。
反対に、錠前を取り付けた際に最初から付属していたものを「オリジナルキー」「本鍵」などと呼びます。


純正キーと複製キー

合鍵は大きく分けて2種類あります。

純正キー(メーカー純正の合鍵)
メーカーによって合鍵作成された鍵。
オリジナルキーと同様の方法で製造するため、品質は全くオリジナルと同様です。
また、メーカー名と鍵番号の刻印がされています。
※「マスターキー」と呼ぶ方をよく見かけますが、間違った表現です


複製キー
町やホームセンターの鍵屋さんで作成、複製した合鍵。
ブランクキー」と呼ばれる"溝やギザギザを削る前の状態の鍵"を、オリジナルキーに合わせて汎用キーマシンで削って作成します。
アナログで削るため、オリジナルに比べると必ず誤差が生じます。
また、メーカー名や鍵番号は刻印されず、変わりにブランクキーの型番が刻印されています。
※「スペアキー」と呼ぶ方をよく見かけますが、間違った表現です

純正キー

マスターキー(=親カギ)

マンションやアパート、ホテルなどの管理者の方が所有しているカギです。
通常、部屋ごとにカギは違うわけですが、どの部屋も1本で開けることが出来るカギがマスターキーです。
建物内の複数(または全て)の扉を開けることができます。

マスターキーにも用途によっていろいろ種類があります(主にホテルなどでの利用法ですが)
・フロアマスターキー(例:1フロアのマスターキー)
・グランドマスターキー(例:建物すべてのマスターキー)
・グレートグランドマスターキー(例:複数の建物全てのマスターキー)

※マスターキーの合鍵を複製する場合、防犯上の観点から厳重なチェックを通して受注するシステムを業界では行っておりますので、 お客様には建物の所有者・代理人等身許が明確にできる書類の提示をメーカー・当店共にお願いしております。

逆マスターキー(=子カギ)

マンションのエントランスや非常口、ゴミ置き場や倉庫などの鍵ってなぜかどの入居者のカギでも開けられますよね?
あのように、異なる複数の鍵で共通の扉を開け閉めできるようにした仕組みを逆マスターキーシステム(リバースマスターキー)と呼び、これらの鍵を逆マスターキーと呼びます。

マスターキー

スペアキー

予備の鍵のことをスペアキーと呼びます。
鍵を無くしてしまった際に、予備がないと困りますよね?
そういった万が一の時のために使わずに保管しておくための合鍵...
というのがスペアキーの本来の使い方です。

ただ実際は、スペアも全部なくしてしまった...というお客様からよくお問い合わせをいただくので
新しく予備のスペアキーを用意する前に使用してしまっているのでしょう。
鍵をなくしてしまったら合鍵を複製、作成しておき、スペアキーとして使わずに保管しておきましょう。
すべて失くすと、錠前本体を交換することになって3万も4万も費用がかかることがあります。


最後に

以上が各名称の簡単な解説となります。
鍵の正しい表現が少しでも理解していただければ幸いです。
ちなみに、「コカギ」というのは一部のメーカーが「純正キー」を言い換えて表現している言葉で、業界用語のようなものなので一般的には使わない場合が多いでしょう。