鍵は何の素材でできてるの?

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鍵(合鍵)の素材について

メーカー純正の鍵(合鍵)の素材は?

500円玉

出展元:Wikipedia

鍵メーカーが作成する純正の鍵および合鍵の素材は、細かな配合はメーカーごとに異なりますが、おおむね「洋白」という合金になります。

洋白は「50~70%の銅」と「10~30%の亜鉛」と「5~30%のニッケル」から構成されています。
黄銅(真鍮)よりも強度に優れているだけでなく、加工もしやすいため、強度を持たせつつ繊細な加工を施すための素材としてバランスが取れています。
さらに酸化にも強いため錆びにくく、見た目も純白色でとても美しい金属です。

日本では500円玉の素材にも使われており、「銅72%・亜鉛20%・ニッケル8%」の比率は貨幣の世界では「ニッケル黄銅」と称され、若干金色がかった色味になっています。

メーカー純正の鍵(合鍵)の素材はなぜ「洋白」なの?

「洋白」が使われる理由としては、「強度」と「加工のしやすさ」のバランスが良いことが挙げられます。

鍵は使用頻度や使用年数によって摩耗が発生し、鍵と鍵穴内部(シリンダー)の誤差が0.05ミリ違ってくるだけでも、引っかかりを感じたり、回しづらくなることもあります。
例えば、鍵の開け閉めを4人家族が朝夕に5年間行なった場合、14,600回も鍵を使用することになるため、鍵にはその回数にも耐えられる強度が求められます。
そのため1日に何度も開け閉めを繰り返しても、数年から数十年使っても摩耗が少なく、「丈夫で使い易い素材」が必要になります。
ただあまりにも硬い素材だと加工がしにくいため、「鍵」として微細な削りができず、防犯性の劣った単純な形状のものしか作れなくなってしまいます。

それらの問題をクリアし、さらに「見た目の美しさ」や「錆びにくさ」においても優れている洋白は、まさに「鍵の素材」として最適なのです。

合鍵作成をメーカーに依頼する際に気をつけたい点としては、作成時間に時間が掛かることも多く、メーカーによっては2~3週間掛かることもあるので、お急ぎの場合には不向きです。

鍵屋さんで作られる合鍵(ブランクキー)の素材は?

五円玉

出展元:Wikipedia

鍵屋さんで作られる合鍵(ブランクキー)の最も一般的な素材は、「黄銅(真鍮)」です。

黄銅は「50%以上の銅」と「亜鉛」の合金で、さらに亜鉛の比率が20%以上のものは「真鍮」と呼ばれことが一般的です。
黄銅の特徴として、熱間鍛造性が高いため加工がしやすいことがあげられますが、酸化には弱く、メッキ加工などの特殊加工を施していなければ、すぐに錆びたり黒ずんでしまいます。

日本では5円玉の素材(60~70%の銅・30~40%の亜鉛)に使われているので、錆びや黒ずみのイメージはしやすいと思います。

鍵屋さんで作られる合鍵(ブランクキー)の素材はなぜ「黄銅」なの?

鍵屋さんで作られる合鍵(ブランクキー)に「黄銅(真鍮)」が使われる理由は、やはり「加工がしやすい」ことが一番になるでしょう。

鍵屋さんで作られる合鍵(ブランクキー)には、「お店で」「素早く」「簡単に」合鍵作成できることが求められます。
それらの要求をクリアするためには、「削りやすいこと」が第一になってきます。
加工のしやすい黄銅(真鍮)は、その点でとても優秀なのです。

ただ「削りやすい」ということは、「摩耗しやすい」ということでもあるので、合鍵作成当初は問題なくても、使用頻度や使用回数によって「ささりづらい、回りづらい」などのトラブルが発生してくることが考えられます。
また上記でも述べましたが、黄銅(真鍮)は錆びやすいため、錆びた合鍵を使用することによって鍵穴内部(シリンダー)を痛めることもあり、さらに注意が必要です。

まとめ

メーカー純正の鍵(合鍵)は、作成時間が長くなることもありますが、丈夫な「洋白」素材を採用していて摩耗することがほとんどないので、トラブルも無く長くご使用できます。
一方鍵屋さんで作られる合鍵(ブランクキー)は、「真鍮」素材のため加工しやすく、すぐに合鍵を手に入れることができますが、その分摩耗するのも早いので必然とトラブルも多くなります。

合鍵を作りたい時は、メーカー純正の鍵(合鍵)と鍵屋さんで作られる合鍵(ブランクキー)の違いをよく理解し、状況に合わせて手配しましょう。
オススメはメーカー純正の鍵(合鍵)を手配しつつ、その間は鍵屋さんで作られる合鍵(ブランクキー)を使用するのがベストかと思われます。

本日は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。