KABA?NIKABA(ニカバ)?日本カバ?ドルマカバ?

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KABA?NIKABA(ニカバ)?日本カバ?ドルマカバ?

みなさんの鍵には「KABA」という刻印はございますでしょうか。

「KABA」はスイスに本社を構える世界的大手鍵メーカーの名前です。

日本のみならず、世界各国でセキュリティの高い鍵として支持されているメーカーなのですが、 この鍵について調べてみると「NIKABA(ニカバ)」だったり「日本カバ」だったり「ドルマカバ」だったりと、 たくさんの名称があり、どれが正しいメーカーなのか分からないなどのお問い合わせをいただくことがあります。

実はこれらは全てみんな同じ「KABA」なんです!
本日は「KABA」について詳しくご紹介させていただきます。

KABAの名前がたくさんあるのはなぜ?

KABAの名前を簡単に説明すると下記のようになります。

KABA・・・社名変更前のスイス本社の会社名
NIKABA(ニカバ)・・・KABAと合併した日本の会社名
日本カバ・・・KABAがアジア市場拡大に向けて設立した会社名
ドルマカバ(ドルマカバジャパン)・・・社名変更後のスイス本社および日本の会社名

KABAには150年以上の長い歴史があり、その変遷の中でいくつかの社名が登場することになります。
「KABA」の名前がいくつもあるのは、歴史ある大手鍵メーカーの軌跡なのですね。

次にKABAの歴史について詳しくご紹介します。

KABAの歴史って?

KABAの起源は1862年にスイスのチューリッヒの錠前屋フランツバウアーによって起ち上げられた「錠前屋とレジ工場」が始まりでした。
パリの世界展示会やチューリッヒの州の展示会でレジスターや金庫を出展するなど、技術力は当時から優れていたようです。

1908年にフランツバウアーがこの世を去ることになり、会社は彼の息子のカール、アドルフ、エドウィンの3人に引き継がれました。
会社が息子たちに引き継がれると同時に会社名を「フランツバウアーゾーネAG」とし、 支店工場の設立やミラノで製造を開始するなど、より一層の優れた製品開発に乗り出そうとしていましたが、 第一次世界大戦などの影響により輸出入が難しくなったことで、生産はほぼ停止、また会社も財政的危機に陥りました。

このような状況を打破するため、1915年、エドウィンの友人であり1909年より社長を務めていたレオボドマーが主要株主となり、 事業を再編するともに社名も「バウアーホールディングAG」に変更しました。

1934年には「バウアーホールディングAG」の最初のリバーシブルディンプルキーである「カッセンバウアー」が特許を取得するなど、 ここから世界的大手カギメーカー「KABA」としての成長の兆しを見せはじめます。

ちなみに、このリバーシブルディンプルキー「カッセンバウアー(Kassen bauer)」の名称 は、 会社の創設者である「フランツバウアー(Franz Bauer)」に敬意を示し名づけられました。

発売からすぐに「カッセンバウアー(Kassen bauer)」は人気となり、それに伴い呼び方も「KABA」と短く略され、 その後の「バウアーホールディングAG」の製品の名前としてよく使用されるようになりましたが 会社名として使用されるのはもう少しことになります。

1968年にロンドンでKABAシリンダーの製造および販売のため、 「KABA LOCKS LTD」の設立と買収を行い、鍵メーカーとして広く知られるようになります。
ここから鍵メーカーとして「KABA」の名が会社名に用いられるようになりました。

1974年には日本の「株式会社ニッカナ」が「バウアーホールディングAG」と合併およびライセンス契約によりKABA製品の販売を開始、 翌年1975年には「ニカバロックス株式会社」が設立されました。

さらに1981年にアジア市場でのビジネス拡大を計り「日本カバ株式会社」設立することになります。

KABAシリンダーの世界的広がりを受け、1995年に「バウアーホールディングAG」を「カバホールディングAG」と改名、 またデータ面でもセキュリティを高められるようにと「KABA STAR登録サービス」を開始しました。

2016年にはドア事業として150年以上の歴史を持つドルマ社と合併し「カバホールディングAG」から「ドルマカバ」に、 また「日本カバ」も「ドルマカバジャパン」に社名変更し、「KABA」の名をますます世界的に広めることになります。

KABAの年表

1862年 【KABA社】の基盤となる金庫製造工場がスイスのチューリッヒに設立、Franz Bauerによる錠前販売及びキャッシュレジスター製造工場設立
1934年 リバーシブルディンプルキーの特許取得
1974年 【株式会社ニッカナ」が【KABA社】と合併およびライセンス契約
1975年 【ニカバロックス株式会社】設立、業界初となる電子式金庫錠市場導入
1981年 アジア市場でのビジネス拡大を計り【日本カバ株式会社】設立
1995年 KABA STAR登録サービス開始
1996年 KABAクラブ( 販売店ネットワーク)設立
2000年 大阪営業所開設
2001年 Unican社買収により売上高倍増
2003年 KABA ACクラブ(システム製品販売ネットワーク)設立
2004年 CP製品(官民合同会議試験合格品)認定補助錠「セーフティサムターン」発表
2007年 交換用ディンプルキーシリンダー「KABA STAR NEO」発売、「KABA STAR NEO補助錠シリーズ」販売
2008年 RCID/TouchGoロックシステム市場導入
2011年 交換用ディンプルキーシリンダー「KABA ACE」 販売、【日本カバ株式会社】創立30周年
2014年 自己発電型プッシュボタン錠「Power Plex」 発売、スタンドアロン・アクセスコントロールシステム「KABA EVOLO」発売、年間売上高10億スイスフラン達成
2015年 東京ショールームを蒲田に移転、「Saflok/ILCOホテルロック」販売開始
2016年 【DORMA社(ドルマ社)】と【KABA社】が合併、【日本カバ株式会社】創立35周年、【ドルマカバジャパン株式会社】に社名変更、「KABA DRIVE」販売開始
2019年 最高級ディンプルシリンダー「KABA STAR PLUS」発売、オンラインでの鍵登録および純正スペアキーの発売を開始

まとめ

このようにKABAには紆余曲折と試行錯誤の上に成り立ってきた深い歴史があるのです。

また世界的大手鍵メーカーとなった今でも成長を止めず、日々新規製品の開発・販売に努めています。
このような姿勢があるからこそ時代に適応したセキュリティの高い鍵が作り出せるのでしょう。

もしお持ちの鍵に「KABA」の刻印があるのなら、信頼のおける鍵ですので大事にしていきましょう。

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